失敗者と成功者の間にあるたった一つの違いは「習慣」の違いだ。
「世界最強の商人」と呼ばれた人の言葉です。
皆さんはどう感じますか?
オグ・マンディーノの『世界最強の商人』
世界最強の商人とは、アメリカの作家・講演者であるオグ・マンディーノの書いた”The Greatest Salesman in the World”という本のことです。
日本語訳版では『世界最強の商人』というタイトルになっています。
ジャンルとしては、ビジネス書であり自己啓発書で、成功哲学が物語に沿って展開されます。アメリカでは1968年に出版が開始されたものなので古典的な作品と呼んでも良いかもしれません。
世界最強の商人のあらすじ
イメージをつけやすいようにあらすじを書いておきます。
こういう構成で、なんと110ページくらいの短い物語の中にかなりの数の気づきを与えてくれる本です。
時代の背景として、初期のキリスト教布教時期というのがありその時代の宗教観も入っていますが、全体的に 商人=Salesman としての成功のヒントがまとまってあります。
その秘密の巻物で特にシェアしておきたいところをこれから書いていきます。
世界最強の商人の秘密の巻物
巻物は10巻あり、最初の1巻は巻物の学び方が記されています。
今回取り上げる巻物はこちらです。
良い習慣を身に着け、その奴隷になる【第1巻:巻物の学び方】
成功は千差万別 しかし失敗の定義は1つ
確かに、経験は我々に多くのことを教えてくれるが、その教え方は人生の貴重な時間を無駄に食い尽くしてしまう。
ゆえに、その特別な知恵を学ぶために必要な時間の長さを考えると、経験による教えはそれほど価値があるとはいえない。
死を目前にしてわかっても、それは無駄になるだけだ。
さらに、経験による知識とは流行に似ている。
今日、成功した行動も、明日にはもはやうまく働かず、役にたたないだろう。
原理原則だけが長続きする。そして今、私はこの原理原則を手にしている。
なぜならば、私を偉大なものへと導いてくれる法則が、これらの巻物の言葉の中にあるからだ。
彼らが私に教えるのは、いかにして成功するかよりも、いかにして失敗を防ぐか、ということだ。
なぜならば、成功とは人の気持ちのあり方に他ならないからだ。
千人の賢者に「成功とは何か」と聞いてみれば、千通りの答えが返ってくるだろう。
しかし、失敗に関してはその定義はただ一つだけである。
すなわち、「失敗とは、それが何であれ、その人生の目的に到達できないこと」である。
第1巻では、巻物の学び方が書いてあります。経験による教えには価値がなく原理原則を知ることこそが長続きする秘密であると。
そして、原理原則では成功とは千差万別の感情ですが、失敗の定義は唯一つ。
自分で決めた目標に達成できないことというのは確かにそうですよね。
あのノムさんも
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
と言っていましたよね。
これをまず踏まえた上で成功する方法を読み解いていきます。
良い習慣の奴隷になれ
実は、失敗者と成功者の間にあるたった一つの違いは「習慣」の違いだ。
良い習慣はあらゆる成功の鍵である。悪い「習慣」は失敗に通じる鍵のかかっていないドアのようなものだ。それゆえ、他のすべてに優先して私が従う第1の法則は、「私は良い習慣を身につけ、その奴隷になる」というものだ。
私の行動は、食欲、情熱、偏見、貪欲、愛、恐怖、環境、習慣によって規制されている。それらの中で最も手に負えない暴君が習慣だ。それ故に、もし私が習慣の奴隷にならなくてはいけないのであれば、私は「良い習慣」の奴隷になろう。
ここで、最大のキーワードである「習慣」が出てきます。
今となっては、習慣の力は様々な本や動画で取り上げられていますが、巻物では「良い習慣の奴隷になる」という言葉を使っています。
奴隷の意味を調べてみるとこんな感じでした。
ある事に心を奪われ、他をかえりみない人。「恋の奴隷」「金銭の奴隷」
goo辞書より
習慣は、意識の中に染み込ませ喜びとせよ
最後にかなり長いですがこの物語上重要な部分なので紹介します。
毎日これらの言葉を繰り返すことによって、それはすぐに私の顕在意識の一部となる。
しかし、もっと重要なことは、それが私のもう1つの意識の中に染み込んでゆくということだ。
その意識は決して眠らない神秘の源であり、私の夢を想像し、しばしば私には理解できないやり方で私を行動させる場所なのだ。
これらの巻物の言葉がこの神秘的な意識によって吸収されると、私は毎朝、今までに経験したことがないほど生き生きと目覚めるようになる。
私の活力は日に日に増強され、やる気が湧き上がり、世間の人々に会いたいという気持ちが、それまで夜明けに感じていた恐怖を吹き飛ばしてくれるだろう。苦痛と悲しみに満ち溢れた、この世界で、今まではとても可能だとは信じられなかったほどの幸福を感じるようになる。
そして、いつの間にか、日常生活の中で直面するすべての出来事に、巻物に書かれている方法をもって自然に対処している自分に気づく。そして程なく、それらの行動や反応をすぐに行えるようになる。なぜならば、日々の練習はいかなる行為も容易にするからだ。
こうして新しい良い習慣が生まれる。
なぜならば、
日々の繰り返しによって行動が容易になると、その行動をすることが喜びとなり、それが喜びになれば、人は自然にいつもそのように行動するようになるからだ。私が常にそのように行動するようになると、それは習慣になり、私はその習慣の奴隷となる。そしてそれは良い習慣であるがために、これは私の意志なのだ。
人と違うことを誇りに思う【第4巻:私は大自然が生み出した唯一の創造物】
私は今から、自分の違いを強調しよう。人と同じところを隠そう。その違いを誇りに思おう。
第4巻では、自分は唯一無二の存在であり他人と違うところこそが強みでありそれを誇りに思って商売を続けようという学びです。
人間社会では人と違うことは排他されてしまうリスクがどうしてもあります。
今でこそ個人で稼ぐことのハードルがかなり下がり、他の人ができないことを武器に稼ぐ人が増えてきましたが、
それでも多くの人は会社という組織に属し、他人と協調しながら生きている中ではこの「自分の違いを強調し、誇りに思おう」の部分はかなり響きます。
自分の感情を制する作戦【第6巻:今日、私は自分の感情の主人になる】
セルフコントロールの部分です。自分の感情に任せて行動していては動物です。
人間は社会を形成する中で自分の感情を制御していかなければなりません。第6巻ではその具体的な方法が書かれています。
毎朝目が覚めると、私は自分がまだ悲しみや自己憐憫や失意の勢力に捉えられる前に次のような作戦を実行する。
気分が沈んでいたら、歌おう
悲しかったら、笑おう
気分が悪かったら、仕事を倍にしよう
怖かったら、頭から飛び込んでゆこう
劣等感を感じたら、新しい服に着替えよう
自信を失ったら、声を高めよう
貧しさを感じたら、来るべき富を考えよう
能力に自信をなくしたら、過去の成功例を思い出そう
卑屈になっていたら、自分の目標を思い出そう
そして自分への戒めに関して、
もし、
自信過剰になったら、失敗したときのことを思い出そう
自己満足に陥ったら、競い合っていたときのことを思い出そう
自分の偉大さに酔いしれたら、恥辱の瞬間を思い出そう
自分が万能だと感じたら、風が止められるかどうかを試してみよう
巨万の富を得たら、飢えた人がいることを思い出そう
尊大になったら、無力だったときのことを思い出そう
自分の技が誰にも負けないと感じたら、星を見上げよう
いまからでも実践したいものが1つはありそうですよね。
僕は個人的にはこのあたりが古臭さとエモさがあって好きです(笑)
- 気分が悪かったら、仕事を倍にしよう
- 怖かったら、頭から飛び込んでゆこう
- 劣等感を感じたら、新しい服に着替えよう
- 自信を失ったら、声を高めよう
昨日より今日、今日より明日【第8巻:今日、私は自分の価値を100倍にする】
要するに満足慢心せず毎日アップデートしていけよということです。
昨日より今日 今日より明日 自分を超えていけ
昨日成し遂げたことより、今日はさらに素晴らしい業績を残そう。
今日は全力をつくして、今日の山の最高地点まで登ろう。
しかし、明日は今日よりももっと高く登ろう。そして次の日は、明日よりももっと高く登るのだ。
他人の業績を超えることは重要ではない。自分自身の業績を超えることが全てなのだ。
常に比較するのは他人ではなく、昨日の自分です。
そこから立て続けに常に今に満足せず、ベストを超えていけと言ってきます。
上田次郎の『なぜベストを尽くさないのか』と言わんばかりの連打です。
1時間レベルで自分をアップデート
常に自分の手の届く範囲以上を目指して頑張る
市場での自分の業績に絶対に満足しない
目標が達成されたら、すぐにより高い目標を設定する
常に次の1時間に、今の1時間よりも高い業績を上げるように努力する
常に自分の目標を世間に宣言する
しかし、私は自分の業績を自慢しない。その代わり、世間が私を高く評価してくれるならば、それをありがたく謙虚に受け止めよう。
やったるで!という気持ちにさせてくれやがりますよね(笑)
他の感情が出る前に行動 ホタルになれ【第9巻:私は今、行動する】
よく言われる、行動についての巻です。今で言うホリエモンの多動力みたいな?
恐怖という思考よりも速く行動
でも行動って怖いですよね。失敗するかもしれない、孤立するかもしれない、批判されるかもしれない・・・といろいろなことを考えてしまいます。
でも、そんな考えが脳から出てくる前に行動するべきと言っています。
恐怖心を克服するには「ためらわずに、今直ちに行動する」ことだ。そうすれば、心の動揺も消えるのを私は知っている
ホタルのように行動で光り輝く
行動の1つとして、ホタルの生き方の話が出てきます。
今日から私はホタルの生き方を教訓としよう。
ホタルは羽を広げ、行動しているときだけ光っている。
私もホタルのようになろう。
そして、私の輝きは昼間の太陽の下でも見えるだろう。
他の人は蝶のようになるが良い。蝶は羽を広げて得意になっているが、花の慈悲にすがって生きている。
私はホタルのようになろう。そして私の光で世界を照らすのだ。
確かにホタルは光っていない時はどこにいるか何をしているのかわからないですが、いったん光を放つと鮮やかな蝶ですら霞んでしまうほど輝きます。
僕もホタルのように輝けるように良い習慣の奴隷になって常に自分自身をアップデートさせていきたいと思ってしまいます。
行動による結果を求め、行動を倍増
市場で私の結果を決めるものは私の行動による結果だけだ。
そして、私は自分の価値を倍増するために、自分の行動を倍増しよう。
私は失敗者が恐れて歩かない道を歩こう。
失敗者が休むときにも私は働こう。
失敗者が沈黙しているときにも、私は話しかけよう。
失敗者が大口の客1人を狙う計画を立てているとき、私は商品を買ってくれる10人を訪ねよう。
失敗者がもう手遅れだと嘆く前に、私はすでに仕事は終わったと言おう。
なぜならば、私には今しかないからだ。
明日は怠け者が仕事を予約した日だ。私は怠け者ではない。
明日は悪人が改心する日だ。私は悪人ではない。明日は弱虫が強くなる日だ。私は弱虫ではない。
明日は失敗者が成功する日だ。私は失敗者ではない。
明日なにかするでは遅い。今しかないと思って、行動をしまくろうという部分です。
失敗者とは違う道を歩き、今を生きるということを良い習慣の1つとして奴隷になっていくとかなり強くなりそうです。
まとめ
オグ・マンディーノの世界最強の商人の個人的に学びになった部分を見てきました。
正直言うと、ほとんどが今書店のビジネス書コーナーにおいてある自己啓発系の本の内容です。
この本が違うところとしては1968年から人々に受け入れられている原理原則であることと、ハフィッドたちが紡ぎ出す物語が読者を本書の世界観の虜にし、非常に多くの人々に受け入れられやすくなっていることだと思います。
休日であれば、1〜2時間程度あれば読めてしまうようなボリュームですので、ぜひまずはざっと読んでみて、自分に関係ありそうなところは2周めにじっくり読んでいただければ、
自分史上最強を毎日更新していき、世界最強になれる
秘伝の書かなと感じました。
今日の本
世界最強の商人
その後の世界最強の商人