皆さんこんにちは。 皆さんの企業は、いくつもの事業を並行してやっていますか?
こんな言葉を聞いたことはありますでしょうか?
フォーカスせよ!
今回は、マーケティングの大家の一人アルライズ氏の書籍『フォーカス!』から重要な部分をキュッとまとめ、今自分の置かれている状況も踏まえて書いていきます。
アルライズ
アメリカの世界屈指のマーケティングコンサルタントです。アルライズ氏の著書で有名なのは、『ポジショニング戦略』や『マーケティング戦争』があります。
僕もポジショニング戦略などはとても好きで、たまに読んでいます。
フォーカスとはどういうことか?
この本でのフォーカスとは、
「製品ラインの拡大」や「企業の多角化」をせず、専門化しその分野のトップを目指す
ということです。
企業は成長する際、決まって製品ラインの拡大や多角化をしてしまい、失敗の道を進んでいくと言っています。
この製品ラインの拡大や多角化はエントロピー(フォーカスを失うこと)で、やってはいけないことです。
そうではなく、「これは強い!」という分野を1つ持つべきです。
僕もそうなのですが、何かに絞るということは何かを捨てるということになります。それはかなりエネルギーを使いますし辛いことでもあると思います。
しかしそれを行うことによって事業の成功が成せるということなのです。
重要なのは、品質よりもイメージ
消費者にとって本当に本質的に重要なのは、品質ではなくイメージです。
自分の消費行動を思い返してみれば分かると思いますが、単に品質がいいものよりも、ブランドや〇〇さんが使っているといったイメージで選んでませんか?
そう、人はイメージでものを選ぶのです。
イメージには、4つの効果がありそれぞれが重要な要素となっています。
- 「専門」効果
スマホなら〇〇社!のようなイメージ - 「業界トップ」効果
国内ビールといえば〇〇社!のようなイメージ - 「価格」効果
いいものは高価格というのは消費者は意識の中にある - 「ネーミング」効果
より専門性を訴える商品名にすること
どうやったらフォーカスを確立できるのか?
フォーカスは以下の6つのポイントで確立することができます。
- ある製品にフォーカスすること
コンピュータ、キャンディー、サンダルなど何でも良いです、その製品で複数のフォーカスを構築すること - ある特性に沿ってステップを分けていくこと
価格、流通、年齢層などで絞ってブランド間の混乱を避けること - ブランド間の差別化を行うこと
2に倣って、差別化をしっかり行うこと
カニバラないように - 似たようなブランド名を避けて、全く違うネーミングにすること
ブランドごとの差別化を明確にするためにネーミングは全く違うものにすること - 新たな市場を開拓できるときのみ、新ブランドを作ること
自社ラインナップの穴を埋めるために新ブランドを導入することはやめること - ブランドのコントロールは経営のトップが行うこと
大事なこと
なにかの製品にフォーカスして、ブランド毎に特製を分けていきネーミングは全く別にすること。例えばドトールコーヒー(低価格)とエクセルシオールカフェ(中価格)のように同じ運営元でも全く別ブランドとすることで、ドトールのユーザーがエクセルシオールカフェに流れていくことも防ぐことができます。
品質向上よりも、次世代開発を!
既存の製品の品質向上も大事ですが、フォーカスしている分野で次世代開発により溝を越えていかなければいけない。そのためには、
- 素早く行動を起こす
- 新製品を開発する
- 新製品名をつける
- 大胆に行動する
慎重なのと安全なのは違います。過去にとらわれず、万人受けを狙わず、市場の変化に併せてフォーカスを行うべしです。
これは変なプライドなどが邪魔をしそうなところです。常に市場は変化することを頭において柔軟に大胆に行動していきましょう。
まとめ
ここまでがフォーカスの僕が主要だと思った部分です。
とどのつまり、 フォーカスして一言で定義できる会社になりましょう。「ハイネケンは世界一のビール会社」のように。
この本、親切なことに最後に15の秘訣を書いてくれていますので、それを僕なりに書いて締めたいと思います。
1.フォーカスはシンプルであれ
人に理解されることが大事。シンプルな言葉・アイディアで行うべし。
2.フォーカスは記憶されなければならない
自社のフォーカスは、消費者に自覚されないと意味がないです。記憶されるには、個性的かどうか、衝撃を与えられるかどうかをチェックするべし。
3.フォーカスはパワフルでなければならない
繰り返し繰り返し行うことでパワフルにしていくべし。
4.フォーカスは革命的であらねばならない
いくつかのGAMPを破るべし。
Generally Accepted Management Practice(一般的に是とされている経営実践)
売上、利益、ROIなどのこと。
ビジネスは数学に似ている。高度なビジネスはいわば高等数学に似ているといえる。高等数学は、概念やコンセプトを把握して戦う必要がある。
5.フォーカスは敵が必要である
有力な敵を倒すべし。
6.フォーカスは未来を切り開く
7.フォーカスは社内にも必要だ
社内の最高の人材・資源を未来につながる製品やサービスに投入するべし。(フォーカスする)
8.フォーカスは国家にも必要だ
9.フォーカスは製品そのものであってはならない
ある一分野で群を抜くべし。
10.フォーカスは傘であってはならない
自社製品をすべて包括できるようなテーマ = 傘
これはNG。
フォーカスは包括とは無縁。(発音似ていますが)ある企業の製品やサービスのごく小さな部分に当たるポイント攻撃となる。
つまり、フォーカスでは未来につながる部分だけをカバーすべき。
11.フォーカスは万人にアピールするものであってはならない
特定のターゲットにフォーカスすべし。
12.フォーカスは見つけにくいものであってはならない
13.フォーカスはすぐ効くものであってはならない
フォーカスには、忍耐力が大事である。
14.フォーカスは一般的戦略であってはならない
一分野を支配することを目指し、ビジネスをあえて「狭める」べし。
15.フォーカスは永遠には続かない
数十年単位で移り変わるものなので、市場の変化に応じて再フォーカスを繰り返すべし。