エンジニアの企画力を高める、ロジックの三角形と鳥瞰力(フリーランスも必見)

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ITエンジニアための企画力と企画書の教科書 Marketing
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2020年、2010年代までの常識が大きく変わろうとしている転換点に早くも人類は直面しています。

自粛を余儀なくされている業界、業種もあれば働き方が大きく変わった企業、なにも変わらない企業もいるでしょう。

そんな世の中で、社会的に重要な力の1つは「自分の力で稼げる力」です。

フリーランスの方であれば実感しているとは思いますが、個別のエンジニアリングスキルや〇〇スキル云々があっても稼げない人は稼げないです。

今後の社会は、ますますテクノロジーが進化し、テクノロジーへの理解とその活用、応用は社会人のリベラルアーツとして存在感を増してきます。

それでは、どうすればいいのかと言うとテクノロジーへの理解と活用、応用に加え、企画力を身につけることで人を巻き込みお金やムーブメントを生み出すことができます

先日この本を読みました。

ITエンジニアための企画力と企画書の教科書

今回は、企画力について取り上げます。

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言いたいこと

この10項目が、この本で重要だと感じた部分です。

  • 最重要なのは、大義的なロジックと対象者の心理
  • そのために、様々なロジックの三角形パターンと鳥瞰力が必要(= 企画のセンス)
  • ロジックの三角形とは、主張・理由付け・データによる証明の3要素からなる
  • ロジックの三角形を企画の基本構成に落とし込むことで良い企画ができる
  • 鳥瞰力とは、自分の担当を超えて広域の事情まで把握できる力(全体を見渡せる力)
  • 鳥瞰力 = 見渡す力 + 視点 + 焦点を絞る力(ちょうどいい感を知る力)
  • 鳥瞰マップは、登場人物や考え、関係があることをマップ化したもの
  • 企画書は、まず企画の骨子を目次として書きそこだけ見ても内容が把握できるようにする
  • 企画書の2ページ目以降には企画の概要・期待効果・目標値を書く
  • このやり方を繰り返して身につけていく

会社の究極的な目的

そもそもなぜ企画力が必要なのか。

本書は主に企業で働くエンジニア向けに書いてあるため、表向きにはサラリーマンエンジニア向けといえます。

そこでまずは会社の目的を定義しています。

会社の究極的な目的は、

永続的な利益の実現である。

会社に関わっている人は、例外なくこの究極的な目的のために動いているわけです。

そのため、企画力は最終的にはこの目的を達成するための1つと言えます。

そしてその企画のためのツールとして、

  • 様々なロジックの三角形パターン
  • 鳥瞰力

の重要性と使い方を書いています。

TomoOne
TomoOne

この書籍を読んでいくと、企業で働いている人もそうだけど、

フリーランスで活動してる人にもとても重要だと思った!

ロジックの三角形

ロジックの三角形は、主張・理由付け・データによる証明の3要素からなります。

  • 主張・・・企画書を提出することで実現させたいこと
  • 理由付け・・・企画を受ける相手が嬉しいメリット
  • データによる証明・・・スケジュール、予算、人員体制、実績、方法論など

良い企画には、この3つが成り立っている必要があるのです。

ロジックの三角形のよくある間違い

主張をたくさん書きすぎる

1つの企画には1つの主張が鉄則です。

理由付けに決済者のメリットがない

特に会社だと、経営層が決めた全体方針は徐々に役職に降ろされて来るわけですが、企画を受ける相手(決済者)がメリットを感じないとそれはハズした企画ということになってしまいます。

データが不十分

説得力の部分です。手近だとインターネット検索などで実数値として用意します。

ロジカルフローに落とし込む

ロジックの三角形ができたら、次は企画書の基本構成(ロジカルフロー)に落とし込みます。

ロジカルフローには次の4つの要素があります。()の中は、ロジックの三角形の該当箇所です。

現状と課題(主張と理由付けの裏返し)

今季の目標と現状のギャップが課題になる。

解決案(主張)

主張(実現させたいこと)が該当します。

スケジュール(データによる証明)

どういう手段で実施し、その手順により発生した現実的な期間はどのくらいなのか

投資対効果(データによる証明)

いくら予算をかけ、どのくらいの人員で実現し、効果がどれくらいあるのか から、相手が「これなら効果がある」と理解・納得できるようにする

投資対効果シミュレーション等の場合であれば、数値の証明が推測値になるときは事例や専門家のコメントを引用する。

TomoOne
TomoOne

まずは気軽に自分が「こうしたい」と思うことに対して、

ロジックの三角形を作り、

それをロジカルフローに落とし込む

という流れをやってみよう。

コツはシンプルに

ロジックの三角形は、作りすぎると複雑さが増すため、作りすぎないようにすることが大事です。

いい企画とは、シンプルに纏まっている短いもの

いい企画とは、切り口も粒度もパターン化されているもの

採用されない企画書例

採用されない企画書は様々な理由があるのですが、以下のようなものです。おさえたいポイント多いです。

  1. 会社の方針と違う企画書
  2. 企画を提出する相手の意見と逆の企画書
  3. 自分の担当ミッションと違う企画書
  4. 企画書を提出する相手の権限を大きく超えた企画書
  5. 当期中にリターンが見込めない企画書
  6. 社内の信頼がまるでない企画作成者が書いた企画書

採用される企画書例

反対に採用される企画書は、以下のようなものです。

採用されない企画書の反対ですね。

  1. 会社の方針にのっとった企画書
  2. シンプルで効果が短期間で出る企画書
  3. 会社及び企画者が所属する部門で実行できる企画書
  4. 企画者に企画を実行できる職務能力と信頼があること

鳥瞰力・鳥瞰マップ

本書もう1つのポイントは、鳥瞰力です。

鳥瞰力とは、自分の担当を超えて広域の事情まで把握できる力(全体を見渡せる力)を指します。

鳥瞰することで、様々な状況が把握できるようになるため、より良い企画が出せるようになります。

TomoOne
TomoOne

鳥瞰力は、なかなか身につけるのは難しいですが、

超重要な普遍的な能力ですよね。

鳥瞰力を分解してみます。

鳥瞰力 = 見渡す力 + 視点 + 焦点を絞る力(ちょうどいい感を知る力)

なんとなくわかるようで、わからないので説明を加えます。

原理原則「視点」

他では実現できない視点で書かれた、効果がより出るもの(企画実行者の実践力や実力で差別化できるもの)

いきなりなかなか難しいですよね。

でも実際、真似されやすい企画だと、真似されたときに資本力で負けてしまうことがあります。

他では実現できないこと、差別化という視点は把握した上で企画を作る必要があります。

そこで使うのが、マトリックスです。

イメージ

自社の強みと自社にしか無い事実をリスト化し、さらにその根拠をマトリックスに埋めていきます。

※マトリックスには、わざと荒く書きます。それにより見えてくるもの、本当に差別化要素なのかがわかるようになります。

マトリックスができたら、今回の企画で差別化になる視点を1つに絞って書きます。

例:当社は、○○の分野において日本で最初に収益化に成功。海外での売上も順調に推移しており、国内外でのトップブランドとして評価されている。

次の局面を有効に展開する視点で書かれ、企画でも効果が出るもの(ブランディング向上、ビジネス基盤を作るような差別化ができるもの)

軍師とは、常に次の局面を考え自分たちに有利に働くようにしているものです。

企画でもそれはもちろん該当します。

この場合は、人物や関係を見渡す鳥瞰マップを作ります。

※ロジックの三角形の前のブレスト用 かつ ロジックの三角形のあとの検証用につかいます。

以下は僕がざっと作ってみた鳥瞰マップです。

イメージ

マーケティング担当として、販売チャネルを広げるためにパートナー施策を打っていくという想定での社内の鳥瞰マップです。

これをみると、以下のことが分かります。

  • 関係者がどこまでいるのか
  • それぞれの関係者が何を考えているのか
  • 関係者の関係はこの矢印でいいのか
  • 最終的に実現したいものはなにか
  • どうすれば競合に勝てるのか

この例では社内の関係者のみですが、社外を巻き込むプロジェクトなので、パートナー候補企業や競合企業の戦略などがこのマップには入ってくることになります。

書籍にあった鳥瞰マップの使い方としては以下のようになります。

  1. ロジックの三角形に直接登場する人や組織だけを書く
  2. ステップ1の当該者が考えていそうな事や関係がありそうなことを書いてみる
  3. 競合や協力者などの関連がる人を色分けして書く
  4. ステップ3の当該者が考えていそうなことや関係がありそうなことを書いてみる
  5. 全体を見渡し、自分や協力者に有利で、競合に不利な一手を模索する

撤退が迅速にできる視点

これはなかなか考えたくない部分ですが、いい企画はここまでがしっかり考えられています。

ポイントは以下です。

  1. 予め契約書や規約や社内文章に撤退時のルールを明記し、企画参加者の参加条件として同意させること
  2. 終了期日を決めた企画を出すというのもあり(キャンペーン的に)
  3. 誰が終了判断をするのかも決めておくと良い

企画書

ロジックの三角形、鳥瞰マップ、マトリックスなどで案は固まってきました。

あとは、企画書にして提出するだけです。

TomoOne
TomoOne

要点をしっかりおさえて、シンプルに

企画書の真髄

すべての企画は、課題を解決するか、現状を更に好転化させるのかのいずれかでないと採用されない。

このために、変化の度合い、影響度合いを数字で表すといいのです。

例:半年で売上が5億円見込める

企画のポイント(前提)

前提として、ちょうどいい感を知ることが大事です。ちょうどいい感とは、金額、スケジュール、焦点の粒度についてのものです。

  • 金額・・・現在の状態を踏まえての金額であること、企画を見せる人の範囲であること
  • スケジュール・・・長過ぎる期間はNG。3年後に10億円の売上であれば、せめて期ごとに区切って1期目に2億円、2期目に5億円、3期目に10億円の売上を見込んでいます。とすること。
  • 焦点・・・絞りすぎるとやる意味あるのか?となって良くない。広げすぎると、現実感がなくなって良くない。

これが満たせる企画がちょうどいい感がある企画となります。

企画のポイント

  1. 最初の1ページに企画書の骨子を目次として書く
  2. 2ページ目に企画の概要と期待効果や目標値を書く
  3. 実現したいことを一つの企画に対し1つに絞る
  4. 1ページに言いたいことを複数書かない

コツ

  • 企画書を提出する人が普段使っている言葉を使うべし
  • レイアウトは、一番言いたいことは左上に置くべし
    よく右下に書く人がいるが、それは人間の視点の動き的にNG
  • 目次と骨子だけみれば概要が判断できるようにしておくべし
  • 補足資料があれば、企画書とは分けて用意しておくべし

最後に

いかがでしたでしょうか。ITエンジニアを対象とした企画の本というコンセプトがあまり聞かないため、新鮮でしたし、

「早速実践してみよう!」

と思わせてくれる内容でした。

ITエンジニアだけでなく企画を出す必要がある立場の人であれば総じて有用な情報です。

また、フリーランスなどの立場であれば余計にこういった能力が必要になってくるため、気になった方はぜひ読んでい見てほしいです。

対象書籍

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